数年前、年収1000万以上の男性との結婚を希望した女性が入会してきました。それが美咲さん、41才バツイチ(子供なし)でした。
「私、最低でも1000万円以上でないと結婚できないんです。いえ、本音では1000万でも足りないくらいですが、これでも理想を限界ギリギリまで理想を下げました」とのこと。私は入会前に「ハイクラスや医師やエリートとの方と時々成婚になる方もいますが、人によって叶わない事もあります。それでも大丈夫ですか?」と念を押しました。すると「知っていますよ。今までさんざん結婚カウンセラーさんに言われて来ましたから。」と即答。実は、これまで少なくとも4軒の結婚相談所を経験していたそうです。
年収1000万以上の男性との結婚の目標達成のために、結婚相談所を複数経験
離婚をしてからというもの、複数の結婚相談所を転々としたそうです。「私、その頃は『会員総数◯万人!』『エリートとの結婚』など謳っているのを鵜呑みにして入会していたんです。そしたらお見合いが組めなくて。入会時には熱心に営業していた担当からは、きびすを返すように『理想が高すぎるのでお見合い組めないんですよ』とアドバイスされ、『最初は組めると言っていたのに話が違いますよね?』と言い合いになってギクシャクして辞めました。」とのことでした。転々としているうちに、小まめに対応してくれる個人結婚相談所のほうが良さそうと気づいたそうです。「親切で人脈から提案してくれるところならどこでも良いんです。」と、目的を果たすために必死な様子でした。
年収1000万以上の男性にこだわる訳
美咲さんは41歳ですが、とても綺麗でセンスの良い服とモデルさんのようなスタイルでした。ゆるフワのパーマのかかったロングヘアが更に若さを醸していました。年収に拘るのは「以前の旦那さんから生活費として月200万円もらっていたから。」だそうです。しかも、シャネルやエルメスを年に5~6回は買ってもらっていたと言います。その上、年に2回はハワイや上海に海外旅行。「200万でも足りない場合は、おねだりして追加で貰っていました。」不動産売買の会社経営者の旦那様の生活ぶりはバブル時代、桁違いだった様です。
セレブに憧れ、年収1000万以上の男性と結婚した経緯
前の旦那様との出会いは20代。バブル真っ盛りの頃でした。『20代女性は参加費無料』のタワーマンションパーティで40歳のバツイチの不動産会社社長と知り合って、即結婚。当時の彼女は、両親が小さい頃に離婚し、母親と公団の1DKに住んでいました。貧しくて高校を卒業してから直ぐにデパートの化粧品売り場で働いたそうです。しかし手取り10万ほどの安月給。そんな育ちや環境だった美咲さんは、贅沢なキラキラのセレブ生活に憧れていました。そこで、同僚とタワーマンションパーティに通ったそうです。そして、そんな時に出逢ったのが前夫。夢を叶えてくれそうな彼が大好きになったそうです。
年収に拘るのは悪い事ではない
「方々でさんざん”条件が厳しい”と言われた。」という美咲さんには、誤解のないよう次のように伝えました。「年収1000万以上の男性との結婚を望むのは悪い事ではないです。しかし年収1000万だからと言って湯水のようにお金を使わせてくれる訳では無いのです。まずはお互いに思い遣りと愛情で支え合うことが大切です。そうでないと離婚に繋がるので、まずは相性重視で見つけませんか?美咲さんを温かく包んでくれる男性なら年収が1000万円以上でなくても幸せを感じるハズです。」とアドバイスをしました。しかし、この時は美咲さんの耳には入ることはありませんでした。
高年収へのこだわり、執着を捨てた結果
結果的に美咲さんは活動中、2回休会を繰り返しました。その間、マッチングアプリで出逢った複数男性と交際をしていました。会社経営者や年収2000万の男性とも交際したそうです。しかし、最終的には音信不通になったり、既婚者に騙されたそうです。結局、結婚相談所に戻ってきた美咲さんはあることに気付いたと言います。「私、以前の夫もそうでしたが、年収が高い男性とは合わないと思うようになったんです。」確かに、年収が高いということは、プライドや信念も高い男性が多いものです。美咲さんのように、自己主張が強いとぶつかり合ってしまうでしょう。そう気付いた美咲さんは、心機一転、婚活を再開して驚きの相手と交際になりました。
なぜ年収1000万以上の男性というこだわりが消えたのか?
美咲さんは、今までとは真逆な男性と交際になりました。そのお相手は年収480万円の同じ年齢の男性です。とても優しい男性でした。外見も普通にカッコ良い方でした。ただ、当初の「年収が最低1000万円以上の男性」という条件に関しては180度違いました。美咲さんは、マッチングアプリで散々な目にあって「結局は自由にお金を使わせてくれる男性なんていない。そしたら年収へのこだわりが消えました。」と心の底から思ったそうです。最初の旦那様の時はバブル時代で、しかも美咲さんは男性から大人気の20代でした。バブル崩壊と共に幻想もとっくに消えていたのに気づけたそうです。
お金があっても満たされなかった過去にすがりついていた理由
実は美咲さんは、前の夫から疎ましがられ、裁判によって離婚を余儀なくされたそうです。そうして離婚後、独りで辛い時に思い出すのは、輝いていたあの頃だったそうです。「恵比寿の豪華マンションでのリッチなセレブ生活。デパートやブランド店の買物がワクワク楽しかった。その頃の印象ばかりが頭に焼き付いていました。」結婚生活は5年で終止符が打たれたそうです。「私、段々お金の無心しかしないように元夫から思われていたようで、それが原因で嫌われ離婚に至りました。もともと仕事が忙しいのに、執拗にアレコレ要求する私が面倒になったんです。私は精神的にも子供だったので構って欲しかった事もあり、お金やブランドで心の隙間を埋めていたのだと思います。」
過去の生活を振り返り、戻りたいとは思わなくなっていた
美咲さんは結婚相談所やマッチングアプリでの経験を元に、自分が本当に求めている結婚のあり方について、自ずと整理が出来ていました。例えば、前の旦那様は良かった所は生活費を200万だったところ。けれど、その逆で嫌だった所は二言目には「専業主婦なのだから。」と言う所でした。掃除は毎日完璧に。夕飯には7品目以上揃える。もちろんデパ地下など買った総菜やインスタントなどの手抜きは禁止。夕方4時くらいから支度しないと旦那さんが帰るまでに間に合わないので、今でも夕方になると憂鬱になるトラウマがあると彼女は言ってました。「婚活をして分かったのは、私は前の生活には戻りたくないという事でした。今から考えると虚しい生活でした。」と心の変化が見られました。
同じ繰り返しをしない為に
前の結婚生活では、お互いの恋愛熱が冷めた後の現実の生活は窮屈だったそうです。結婚3年目から、実は生活費は10分の1に減らされたそうです。それで「新たに夫を見つけてあの頃のように戻りたい。」と、婚活の原動力にしてしまっていたそうです。しかし活動中に、結局そんな相手はいない。それは「壁に描いた餅」とはっきり理解できたそうです。そういう結論に至って、現実に向き合って間もなく、新たなお相手が見つかったのです。その後交際2ヶ月で成婚になりました。
成婚した相手との幸せな生活
その後、二人は現在は世田谷の家賃12万円の2Kのマンションに住んで、お気に入りの野菜カフェで夕飯を食べて帰るのが日課だそうです。以前は夕方になると憂鬱な気持ちになる食事の支度。現在の旦那様とは『食事は作らなくて良い。何をしても自由。お掃除は彼と分担』というルールも作りました。しかも、イケメンでとても謙虚で優しい旦那様です。年収は後で判明しましたが、起業したばかりで年収は480万と表記されていましたが、それ相応の生活費は充分にあり、資産もある。現在は1千万には届きませんが7〜800万にはなっているそうです。
美咲さんの現在
美咲さん自身は、結婚後は念願のフリーの美容家として働きだしました。ブランド品に寂しさを埋めてもらったり慰めてもらうこともなくなり、「本当に求めていた温かいパートナー」とワンちゃんがいて、充実した人生を送っています。前の結婚生活のような窮屈さは微塵もなくなってやっと自由な生活になったと、時々連絡がありました。

ある日お茶をする機会があり、久々にお会いした美咲さんは相変わらず綺麗でした。ただ、以前のようなブランド物で飾ったアッパーな雰囲気は無くなっていました。トゲが抜けたように驚くほど穏やかで優しくなっていました。そして「いつかは起業したい」といつも言っていた念願の美容ライターの仕事はとても楽しそうで、自分の第2の人生を謳歌していました。「自分の稼ぎは今はせいぜい5〜10万くらいですが、彼と一緒なら頑張れる、頑張りたい、と思っているんです。」とキラキラ目を輝かせていました。
まとめ
結局のところ、結婚は「相手がお金持ちだから」という前提ですると、お互いの気持ちが離れていきやすいものです。相手には「だた一緒に平和に暮らすこと」以外は求めると結婚生活は破綻するのでしょう。美咲さんは友達に結婚の相談をされると、今では「 お金じゃないよ。そもそも相手のお金で贅沢なんて虚しいの。心の底から優しい人と一緒にいるとお金も自然と稼ぎたいと思えるし、本当に充実するの!相手の性格は変えられないの。だから最初から相性が良い相手を見つけることが先決なの。そんな探し方、選び方が一番だよ 。」と伝えているそうです。
執筆:株式会社日本仲人連盟 社長室マネージャー 兼 プライベート結婚相談所「横浜結婚STORY」代表 土橋知子


