全国の結婚相談所が所属する連盟で社長室マネージャーとして日々様々なご相談を受け、また自らもプライベート結婚相談所を運営していると、婚活現場では20代30代女性の婚活の悩みは尽きないと感じます。男性を見抜ける鍛錬ができているアラフォーよりも、経験値の少ない20代30代前半女性は戸惑うことが多いからでしょう。
また20代30代女性は「イケメンのハイスペック男性を狙いたいです!」とはあからさまには言いませんが、結婚したら安定した生活を送りたいというのは、今も昔も変わらない女性の本能です。その本能を叶えたいという気持ちから、表面だけが条件が良いハイスペック男性を選んでしまうと、せっかくの夢にまで見た結婚が、灰色になってしまいます。

ということで今日は実例から、20代30代前半女性のハイスペック男性の上手な選び方をお伝えします。

年収1500万円38才男性で「モテた」と勘違いしたハイスペック男性

まずは、ハイスペック男性の実際の婚活事例をお伝えします。

以前、38才、一流国立大学卒、大手企業の男性が入会をしました。体型はスマートで170㌢、髪の毛もあり、運動が好きなので腹筋もしまっていました。ただ、例えば通りすがっただけで女性がハッと振り向くようなオーラが出ているような男性ではなく、『メガネをかけた中肉中背の普通の人』でした。また若い時から女性との交際経験がなかったそうで、その為に「自分が内向的なので、性格が優しくて普通の同世代の女性を希望します」と当初は謙虚な姿勢でした。
しかし、登録してみると驚くほどの申し込みが来ました。今までもの男性400万円〜800万円の男性を登録していましたが、その100倍は来ていました。彼らとの違いは「年収が1500万」という事でした。社会で普通に生活をしてい時はお声がかからない男性でも、年収を表示した途端に世間から違う見方をされるものです。しかし、それは年収がキッカケで声がかかっただけで、本当にモテるかどうかは、実際に相手に会ってから判明します。
登録後に連日、20代〜50代までの女性から毎日申し込みが来て、数週間で300件は超えました。その中から好みの相手とお見合いを開始しました。
しかし、お見合い後の返事は、どちらかというと断られることが多く、不成立が続きました。交際になっても1回で終了です。相手からのお断りの理由は「つまらなかった」が圧倒的でした。交際経験がないので仕方ありません。しかも、お見合い相手は20代女性ばかりです。焦る必要がない20代女性からは、ちょっとした事で断られるのは当然です。
面談では「最初は 『同世代までの優しい普通の女性希望』だったはずでしたが、実際始めてみたら20代ばかりになっています。性格が優しいという観点で幅を広げてみていはいかがでしょうか?」と伝えましたが「あ、いえ、やはり選べるのであれば20代に限定したいですね」とのことで、このまま続行したいという意思は固いままでした。結婚相談所アルアルですが、最初は謙虚な理想だったのに、知らず知らずのうちに理想が高くなってゆきます。しかし、半年〜1年ほど活動をして、お見合いはいくらでも組めるのに成婚まで至らなければ、『断られる理由』の見直しが必要です。けれどお見合いがドンドン組めると「いつかは自分とピッタリの相手と出会える」という幻想を抱いてしまいます。それが婚活が無駄に長引く原因でもあります。しかしそれに気づくこともなく、『選べる立場』だと勘違いをし、まるでチルチルミチルの青い鳥症候群のようにお見合いを続け、約2年の月日が経ちました。もう20代の女性とはお見合いは組めません。
そんな中である事件が発覚しました。実は会社から解雇されていたのです。その後、都心のマンションから引っ越しして、東京駅から1時間30分もかかる郊外の築50年の1Kのアパートに失業保険で暮らし始めました。無職の男性は結婚相談所は登録できない規則なのでやむなく退会をして行きました。

プロフィール上のスペックではない、彼自身の本質が大好きで、結婚後にどんな困難があっても一緒に乗り越えたいという気持ちがある場合は別ですが、「学歴・年収・身長・外見」の表面だけで結婚を判断するのは注意が必要です。

イケメンでコミュ力が高い、ハイスペック男性の場合

Tさん(35才男性・年収1,000万・資産のあるご実家)は恵まれた細マッチョな175㌢の体型で、塩顔の爽やかな好青年です。しかも性格も優しく、さりげない気遣いができる方でした。ご本人いわく「ワガママな妹がいたので、折れることが体質になっているのですかね」と穏やかに笑います。やはり申し込みもたくさんあり、お見合い後は殆どの女性が交際を希望しました。そんな中で彼が選んだのがやはり20代の女性でした。とても可愛い、お嫁さんとして申し分のない女性でした。

しかし交際が進むにつれて女性が「もっと会いたい」と距離を縮めてくると、終了になりました。その後も複数の女性とお見合いを重ね交際をしました。しかし、長くて2ヶ月で終了してしまいます。「仕事が忙しいので、もっと会いたいと言われると負担になってしまって..。本当に申し訳ないのですが焦らず、ゆっくりと婚活したいと思っています」とのことです。

彼いわく、結婚相談所に入会する前から長年そういった交際をを続けていたそうです。ご自身が20代の頃は、街で皆が振り返るような美人な彼女がいたそうですが、「寂しがり屋でいつも4時間おきに電話をすることになっていました。しかし1年も続けたらとても疲れてしまって、別れるときは大変でトラウマになりました」とのことでした。過去の恋愛経験から依存してくる女性が苦手になっていて、活動開始から数年経って40才になった今も独身です。会社や友人からの紹介でもモテている様子です。
ハイスペックな男性の中には、焦っていない方も多く、めくるめくお見合いができて中々結婚しないというのもアルアルです。そういった男性と結婚したい、と頑張るのは時間を奪われるだけなので現実的でないでしょう。

空気が読めない、相手の気持ちを理解できないハイスペック男性

ハイスペックだと思って実際お見合いしたら、「コミュニケーションが取れない」「様子が変」「写真から想像していたイメージと違った」という経験は、婚活をしていたら誰もが経験したことがあるのではないでしょうか?しかし、一度会って直ぐに「私のタイプではない」と判明したなら良いのですが、中には本性が分からず結婚後に分かったという場合も少なくありません。
これは34才シングルマザーさんの話です。以前、別の大手結婚相談所で活動をして36才 大手企業に勤務する男性とお見合いになったそうです。それまで女性は、なかなか思うような相手に出逢えず苦戦していたところ、やっと「三高で、普通の外見」の男性に出会ったと思ったそうです。後になって思い返せば「外見よりも何よりも彼の『年齢が近くて、大卒、大手企業』という条件に惹かれたそうです。そのため「もうここで決めたい!この男性なら父や母に喜んでもらえる」と思って多少のことには目を瞑って順調に交際をして行きました。「結婚後は働いても働かなくても専業主婦でもいいよ」という彼の言葉に更にテンションが上がったそうです。なぜなら彼女は人手の少ないブラック介護施設で朝から晩まで働いていたので、「天から助けがきたと思いました」と過去を振り返りました。
しかし、結婚してからは「やっぱり働いてくれ」「結婚式はやならいよ、婚約指輪ももったいないから買わなくていいよね。介護職だからどうせいらないでしょ?」と、思ったことを悪気なくズケズケ口にするような旦那さんだと、一緒に生活をして分かったそうです。その他にも、空気が読めない発言や、部屋を片付けられないことを注意しても聞く耳をもたず喧嘩が絶えなかったそうです。
しかし、その後、彼はうつ病を発症して一緒に病院に行くと、軽い「ADHD」で、人との関わりが困難なために二次的にうつ病を発症したということが判明したそうです。そのため、彼は仕事を退職して実家に帰り、彼女は「同居は難しい」と離婚をしたそうです。

スペックは参考程度、中身が大切

「モテると勘違いしている、実際会ったらつまらない男性」や「モテているので、いつまでも結婚しないハイスペック男性」や「相手の気持ちを理解できないハイスペック男性」に夢を見て、受けてもらえるまで申し込みを続けて、あわよくばお見合いができても「思っていた人と違った」と、新たなハイスペック夢を抱いてに申込みを続け、同じ様なお見合いを繰り返すと婚活疲れを起こします。ヘタをすると理想を追い求めて、夢を見すぎて「達成するまで婚活をする!」と、頑固にこの世に存在しない理想を追いかけて性格がこじれてしまうケースもあります。また、もし理想と思う相手とお見合い・交際になっても注意が必要です。『木を見て森を見ず』という言葉通り、全体像を目を見開いて『良いところ』も『そうでないところ』もしっかりと見聞して、「色々あってもこの人とだったら現実的な平和な安定した幸せな家庭を持てる」と自分なりに確信してから結婚する事が大切です。

実際どんな活動をしたら上手に選べるのか

婚活を開始してから半年を過ぎて「上手くいかない」という場合、ピンポイントで検索をしている場合が多いので、幅を広げて検索をすることです。一見「ランクを下げる」という気持ちになる女性もいますがそうではありません。ピンポイントの検索結果でお見合いを繰り返して上手くいかない場合は、前述のハイスペック男性に当たっている場合があります。また、もしそれらの男性ではなく、本当に素敵な相手とお見合いしても、気持ちが前のめりになって先入観のフィルターを外さずにお見合いや交際をしては、失敗を繰り返すでしょう。
どうしても外したくない条件はそのままで、例えば年収を広げてみるなど。プロフィールに表記されている年収は「高いから将来安泰」な訳でもなく「低いから将来ジリ貧」ということでもありません。幅を広げて検索をして一人一人のプロフィールを読みこんでみると、「この人、素敵そう」という方が現れます。気になっている年収も「転職したばかり」とか「税金対策」で実は金銭的には困っていない人が多く、謙虚で賢い方も埋もれています。

もし選び方が分からない場合は担当と一緒に申し込みをするのも良いでしょう。「以前にお見合いしたことがある」とか「知人の相談所だから聞いてみる」ということもあります。こうした相手とお見合いをこなしているうちに、肌感覚で「どんな相手が自分にとって良いのか」が解ってきます。どんな相手を選んだら良いかというと「賢い人」「空気が読める人」「相手の気持ちが分かる人」です。

まとめ

まだ20代、30代前半ならじっくりと1〜2年結婚相談所を学習の場と思って結婚について学ぶと、結婚の本質を見抜ける女性になるでしょう。「若いうちに早く結婚しないとハイスペック男性と結婚できない!」と焦って間違った相手を選んでしまうより、1〜2年年齢が経ってしまっても素敵な相手と結婚できると思います。むしろじっくりお見合いをして勉強をしたからこそ、素敵な男性と結婚ができると言えるでしょう。
20代〜30代前半女性のハイスペック男性の上手な選び方というのは、プロフィール上のスペックは参考程度にして、幅を広げ、時間をかけて「賢い人」「空気が読める人」「相手の気持ちが分かる人」を見極め、その上で「仕事・経済が安定している人」を選ぶことです。それが、表面の数字に囚われない、本当の意味でのハイスペックな相手になります。現段階で年収などの数値的なものには現れていないかもしれません。しかし人間性を含めポテンシャルが高いパートナーと結婚したら、一生平和でお金にも困らない幸せな生活ができるでしょう。

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