30代で婚活が上手くゆかずで迷走をしていたとしたら原因は何でしょうか。結婚相談所業界で、30代〜アラフォーの多くの婚活を見てきた見地から端的に言うとしたら「受け身姿勢で恋愛相手としても結婚相手としても理想の相手を見つけようとしている」からではないか、と考えます。
現在の19〜36才は「ゆとり世代」、31〜42才は「草食世代」と言われます(年齢分岐点は諸説あります)が、この世代の共通の特徴は「恋愛に対して受動的で、物欲や出世欲も薄く自信がないが、素直で人当たりが良く調和を大切にする世代」とのことです。

先に進むことが不安で、自信がなく受け身なのに、好みの顔立ちや雰囲気の相手に申込みをする。ほんの少しだけ申込みをして辞退されると「これ以上は傷つきたくない」と申込みをしなくなる。けれど結婚したい。頭の中では「キュンとして、結婚しても居心地の良さそうな相手と、自然と恋愛関係になって結婚できたらいいな」と考えています。

確かにそういう相手と結婚したいのは当たり前です。しかし、受け身で消極的であまり行動しないのに結婚ができる、そんな甘い考えで婚活をしていたら迷走は必至です。あっという間に婚活疲れを起こしてしまいます。そうならない為に、「もしかして、自分自身というより30代という世代の性質を客観的に知ったら、迷走している原因が分かるかもしれない」と考え、分析・対策する事で幸せな結婚ができるでしょう。

昭和時代と令和時代の婚活の違い

昭和の時代は、バブル経済が真っ只中。経済が潤うと、自信や向上心も自ずと湧いて来てしまうものなのか、婚活者はとにかく男女とも「好みの相手にアタック」「努力と根性」「女性なら、ちょっと地味な人でも、ボディコンシャスな服装・ハイヒール・高級エステにお金をかけ、同じく男性もごく普通の人でも、時代のトレンドでレストラン・車・プレゼントにお金をかける」という時代でした。週末ごとにお祭りがあるかのように、華の金曜日(華金と呼ばれていました)にはバブリーな合コンや恋愛を、上昇志向と見栄が交差する中で、豪華な飲食店でワクワク楽しむことが好きなガツガツした世代でした。

それに対し、30代〜アラフォー世代はそのような派手な恋愛の延長での結婚はしんどいどころか、男女とも「そんなの求めていません」と言い、友達のように平和に過ごせて「この人と一緒にいると安心する、安定する」という感覚を何よりも重要視し、金曜の夜は疲れているのでお家でゆっくり過ごすがの好きで、無駄なお金を使うのを嫌がります。

時々、婚活市場で40代後半〜50代の高年収男性が30代女性を希望するのを見かけますが、実際の30代女性会員さんたちの「理想のお相手男性像」を面談でお伺いするにつれ、今は「年収が高ければ年の差婚ができた時代」とは異なっていると強く感じます。価値観が乖離していて、30代は1,000万以上の年収よりも相性を重要視する世代です。会社や上司ならともかく、40代中盤以降男性がお見合いの場で、昭和のオーラと価値観でプレゼンをしてくると、30代女性は『表面上の良い子』を演じるものの結婚相手としてはやはり対象外なんだな…と、心のシャッターを下ろします。

昭和時代との共通点と令和時代の特徴

話を30代の婚活に戻しますが、ここで問題なのが前述の「この人と一緒にいると安心する、安定する」です。
「あら?それなら直ぐに見つかるんじゃない?昭和世代の三高みたいな理想が高いわけじゃなく、内面重視なら」と一瞬思いますが、別な理想が高いことも特徴です。安心安定するなら『誰でもいい』というワケではなく、昭和でも令和でもここは共通していて「恋愛する気持ちが芽生える相手」です。派手さはなくても、時代を越えても「好き」「ときめきたい」「可愛い・カッコいいが好き」という本能は健在です。

しかし、ゆとり世代・草食世代の特徴は、自信の無さから「好き・ときめきたい」もシャボン玉のようにフワフワ上がっては弾けて消えます。「傷つきたくない」がいつも最優先です。そして「相談所に迷惑をかけたくない」と月会費を払いながら苦しい現状の相談もせず、言ったとしても礼儀正しい質問をして模範解答を受けているだけ。本音は言ったらイケナイ、お説教されないように振る舞おうと思っている人が多いように思います。また、例え好みの同世代とお見合いや交際になっても、過剰に相手にも気を遣うので疲れてしまいます。「結婚したい」なんて自分から言う事も、相手から言ってもらえる事もないまま前進せず悩んでしまいます。そしてもし真剣交際を先方から言われたとしても、途端に驚いてしまい「先に進むのが怖い」と、無意識に「結婚できない面」ばかりを探してしまい、断る勇気もなく迷走してしまう方もいるでしょう。

王道の打開策

私はバブル全盛期世代ですが、昭和の時代でも、人を好きになるとセンチメンタルになったり、傷つきたくなくてモヤモヤ・グズグズしている人もいましたし、密かに好きな人に実は交際相手がいたと発覚して悲しくて会社を休んだ同僚もいました。しかし、最終的には『ダメ元でも当たって砕けてもいいから行動を起そう』『コツコツ努力』の精神で、マッチングアプリも結婚相談所という存在も市民権を得ていない時代だったので、自力でどうにか打開してきました。通勤電車で毎日会う女性に迷いに迷って手紙を渡して交際になった先輩もいました。1年に4回も同じ人に告白して結婚した幼なじみの女性もいました。今はコンプライアンスが厳しい世の中なので一般世間で昭和の猛アタックは参考にはできそうにありませんが、結婚相談所内で会則の範囲内なら『当たって砕けろ』と『コツコツ』は可能です。それは人生を切り拓く2大金字塔・開運の鍵なので、所属の結婚相談所が二人三脚型サービスがある個人結婚相談所であれば、疲れないようにサポートしてくれます。
例えば、結婚相談所の横の繋がり・人脈から会員さんの性格を知った上でお相手を探して提案してくれる、月2〜4名のお見合いの立ち会いに付き添ってもらったりなど(私は引き合わせや付き添いが大好きです)。
また、外見や性格で直したら即効でお相手が見つかる箇所は優しくアドバイスをしてもらえる。(ちょっとしたマナーや髪型、服装だけでも効果抜群です)。
ゆっくりでも良い、コツコツ、傷ついても前向きに人生の開拓をサポートしてもらっているうちに、やがてそれが習慣になり、気付いたらモテ体質になっている。どんな経験も受け止める力がついて婚活の枠だけでなく自分の人生のコミュニケーション全体の肥やしとなって行きます。

半年という短期間でも、他に大きな問題を抱えていなければ、これだけでも結果がでてしまいます。

恋愛と結婚を切り離して考える

また、もう一つの打開策としては、「恋愛と結婚を切り離して考える」です。先日、ホンマでっかTVでもお馴染みの牛窪さんのセミナーに参加しました。「恋愛と結婚は別であっても良い」という主旨の話しでした。著書である「恋愛結婚の終焉」でも下記のように解説しています。

令和のいま、いつまでも「結婚=恋愛結婚」だと考え、無理にでも「恋愛しなければ」と焦る若者たちを見ると、お節介ながらも「無理しなくていいよ」と言いたくなります。恋愛のリスクが顕在化し、恋愛以外の「もっと楽しいこと」が増えれば、面倒な恋愛を選ばないのも当然でしょう。恋愛結婚のベースになる「ロマンティックイデオロギー(恋愛⇢結婚⇢出産が三位一体)」の概念は90年代初旬から、機能不全に陥っていたとも見られています。
それなのに令和の今も「恋愛しなければ結婚できない」とする昭和の価値観を若者に強いるのは、あまりにも酷なのではないでしょうか。

牛窪恵著「恋愛結婚の終焉」より


現在結婚している昭和の先輩方が「恋愛⇢結婚⇢出産の手順を踏む」という方式で結婚してきた事に30代婚活者たちがプレッシャーで苦しんでいるようなら、「恋愛」と「結婚」を切り離して肩の荷を下ろしても良いという事でした。「恋愛」をしなくても「結婚」はできるもの、と牛窪さんの著書には記されています。そして「私のパートナーは結婚当初ゆるヲタを自認しており、決して異性と上手く付き合えるタイプではなく、恋愛力も明らかに低いほうでした。それでも私の仕事に理解を示し、家事も少しずつ覚え、みずからの仕事や付き合いを柔軟に調整してくれるなど、結婚生活をともにする上での最高のパートナーです」と述べています。

私の元女性会員さんたちでも、相手男性がお見合いで緊張で上手く話せず、交際してからもハッキリしないタイプの人と結婚する人が多くいます。その女性たちはお見合いだけの様子で判断せずにその先を見越して賢く結婚します。例えば、緊張から一言も喋れなかった男性がいましたが、女性は「自分はガツガツしている男性が苦手なので居心地良かったです。慣れたら話せるようになると思います」と、3ヶ月の交際を経て結婚した人もいます(最初は緊張で話しが続かなそうとのことで、双方のご要望で同席しました)。そういった30代男性は「緊張してばかりでフラレて結婚できないかと思ったけど、◯子さんだけが自分で良いと言ってくれて、とても感謝しています」と、結婚後には奥さんのために一軒家を建てたり、マンションを用意しています。女性との交際経験や計算がないぶん、緊張しやすかったり目立たなかった男性は、婚活市場ではひっそり何処かに埋もれ、見抜ける女性に発見され開花しています。それら男性に共通して言えるのは「心が澄んでいること」で、女性への表現は上手ではありませんが、ビュアな分、ワガママを押し通したり、相手のせいにしたり、悪口をいったりすることはありません。そういう男性とともに暮らすと過ごしやすく幸せな結婚生活が送れるでしょう。その女性会員さんたちが大切にしていたのは恋愛的な感情というより人間愛的な感情でした。

脳科学の分野から見た「恋愛」と「結婚」は別物という考え

また牛窪さんのセミナーでは、認知脳科学者の澤口俊之氏が説いている「恋愛と結婚を混ぜるとキケン」という説もあると言っていました。
「恋愛」の神経伝達物質はエンドルフィンやドーパミンなどの快感物質、それに対して「結婚」はセロトニンやオキシトシンなどの幸福感や癒やし物質。そのため「恋愛」の後に「結婚」をすると、本来別物なので、上手くスライドできないことが起きうるので危険なのだそう。そのため恋愛⇢結婚⇢出産というイデオロギーにとらわれることなく、男女とも結婚生活をともにするために必要な相手を探すことが必要でしょう。お見合いの表面上だけの印象で判断せずに、先を見越して人間愛・家族愛の見地から見極めることも大切です。実際結婚をしたことがないと難しいことかも知れないので、信頼できる担当と、結婚についての疑問や不安を何度でも話し合ってみる事をお奨めします。

まとめ

まず自分の世代の特徴を捉え、自分に「あ、こういう所ある。婚活では気をつけよう」と気付くだけでも迷走の原因が分かることもあります。そして原因が判ったけれど、「傷つきたくない」「慎重すぎて進めない」という気持ちが拭えない・勇気が出ないという場合は、焦る必要はありません。そういう場合は婚相談所の人脈からの紹介や、お見合いへのお付添いをお願いして、無理なく『当たって砕けろ』『コツコツ』を、担当と二人三脚で続ければ良い打開策となります。担当カウンセラーと一緒にお見合いに行き、落ち着いた気持ちで初対面の相手との会話に臨めば、スムーズに話せるように変化します。そういった成功体験を積みながらネガティブイメージの上書きをし、少しずつ慣れてゆく中で、理想の相手がみつかることでしょう。30代でなくても、年代は関係なく傷つきたくないのは誰でもそうなので、必要以上に気にしたり落ち込むことはありません。せっかく婚活をするのなら楽しんで続けられる結婚相談所での活動をお奨めします。また、「恋愛」と「結婚」別ものという事も念頭に置いて、『居心地の良さ』や『将来を見越す』という、違った角度で相手を選んでゆくのも、迷走せずに理想の相手に巡り合う打開策でしょう。

「ゆとり世代」「草食世代」は真面目で論理的に理解すればぐんぐん伸びるそうです。婚活のコツを、的確なアドバイスをもらって習得さえすれば、幸せな結婚ができるでしょう。