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最初の面談から半年後に訪れたE理さんは少し沈んだ面持ちをしていました。
あれから何か出会いに変化はありましたか?との質問に
「半年間、会社の後輩に週に一度は合コンに誘ってもらい、“今日こそは!”という本気の気持ちで毎回臨みました。そしてある合コンで隣りに座った一つ年下の男性と番号を交換して何度かお会いしました」
一般的に、30代男性は年下女性を希望することが多いので、「年下の男性なんて凄いですね。彼と丁寧にお付き合いをして結婚まで繋げてゆけば相談所に入らなくても結婚できると良いと思いますが?…」と、再び尋ねてきた理由を不思議に思いましたが、実は既に自然消滅しかけているとの事。
「私、重いと思われたのかもしれません。今回は、告白する前からフラれた気分です…。LINEしても、もはや未読スルーなんです。」
30代前半、綺麗なのにフラれる理由
綺麗で女子力も高く、生活水準が高い都心に住む女性は自ずと男性への理想も高くなるのかもしれません。E理さんも聞くとやはり、かなり理想が高い。そういった高い理想を掲げる女性が、想いを寄せる男性にはフラれてしまうのは、「相手に気持ちが伝わっていない」という事が多い。
「いえ、そんなことはないと思います、途切れることなく普通に会話してます。聞かれたことには答えてますし。」というE理さん。
気に入った相手と『普通の会話して何度もデートをしている』としたら、『それ』が気持ちが重い(つまらない)と思わせているかもしれません。
相手に気に入ってもらう事ばかりに気を取られて、相手に何も伝わらない。
よく条件の高い男性会員さんの、女性へお見合いや交際を辞退する理由は「どうも、相手女性とお会いしていると、自分のことを好きというよりも自分の年収をあてにしているような気がします」ということが多い。
要するに、女性から『あなたそのものには興味がなく、あなたの条件や外見を気に入っています。しかも結婚したら親や友達に自慢できます。相手から猛アプローチの末に結婚したいのでそちらから好きになって欲しい』というオーラが出ているという事でしょう。
そうなると男性から「重い」となる。それがフラれる大きな原因ということになるのかもしれません。
結婚相談所でのお見合い活動の開始
E理さんは「今まで出会いもあったし、まだ頑張れば周りから見つけられるかもしれないので、本音を言えば、結婚相談所でお世話になるのに抵抗があります。けど、どんな女性がモテるのか男心を知りたいと思いますし、また色々な男性にコンスタントに会って、納得行く相手と結婚できるのは魅力です」と入会を決意しました。
30代前半の女性は男性からの申込みが多いのですが、男性は常に年の離れた年下の女性に申し込むので、当然E理さんも40代前半からの申込みが多い傾向にありました。
E理さんの希望は±3才なので「待ってばかりだと理想の相手からは申込みは少ないので、自分から申込みをすることが出会いの開運の鍵になりますよ」と伝え、毎月10名に申込みました。交際が進行している男性以外からはお受けして頂けるので、最初のうちはコンスタントにお見合いができました。
39才年収1500万円の御曹司、35才年収800万円み○○銀行勤務男性、38才年収750万円 赤坂の外資系会社勤務男性、36才年収900万大手インフラ会社勤務男性 etc..お会いした人数でいうと半年で10名ほど。どの男性も外見も経済的にも申し分の無い男性でした。
ところが、全員とお見合い後すぐに辞退か、交際に進んでも2回ほどで辞退。
一つ一つお断りの理由を聞いたところ、「交際になって初めてのデートは自分が場所を予約したんです。男性がしてくれなかったんです」また別な男性では「横浜シェラトンのラウンジ前で待ち合わせしたのですが、案内されたら自分がさっさと席に座ってしまって。女性に気を遣わない男性なんだなと思いました」、また別な男性は「渋谷セルリアンタワーのホテルロビーで待ち合わせしたのですが、ゴルフバックをフロントに預けている姿を目撃してしまったんです。お見合いはゴルフ帰りのついでのように思いました」などがお断りの理由でした。
大抵は「自分の扱いに対しての不満」が理由でした。
30代女性の魅力は包容力と母性
気持ちは分からなくもない。E理さんは綺麗で30才大台に乗るまではきっと沢山モテてきたのでチヤホヤされる事が多かったと思います。
けれど30を過ぎたら、20代女性と肩を並べて婚活に打ち勝ってゆくには外見だけでは太刀打ちできないところがあります。
それでも20代でなく30代女性が選ばれるためには、20代にはまだない「包容力と母性」が決め手になります。
E理さんは殆ど自分で辞退しているのですが、実は相手にも「自分には全く興味がない雰囲気でした」と断られていました。このままでは理想の高いE理さんは婚期を逃してしまいます。
それでもE理さんは「実際に自分が理想となる男性に会えば、私も相手に興味を持って、包容力を持てます」ということなので、引き続きお見合い相手を探してご案内をしてゆきました。
そんな中、とある男性とお見合いを提案しました。東京丸の内のホテルで待ち合わせをして現れた男性にE理さんは一目惚れをしました。お辞儀をして顔を上げた時、スローモーションのように飛び込んできた、爽やかな笑顔に一瞬にして魅了されてしまいました。
やっと人生で一番の理想の男性と巡り合った
彼は丸の内に勤める所謂エリートサラリーマン。もともと実家が裕福で高校時代の4年間は海外に留学していました。それでも裕福であることやエリートなところをひけらかさない、性格も外見も上品な男性でした。会社では恋愛はご法度という気持ちがあるので、結婚相談所で相手を見つけることにしたそうです。E理さんはお見合い後すぐに連絡をしてきて「ぜひこの男性と結婚したい」と交際を申込みました。相手も快諾されて、晴れてこのままご成婚かと思われました。
ところが、交際2回目で男性から交際を終了したいとの申し出がありました。
E理さんは愕然。相談所の担当者に尋ねて欲しいとのことでお電話をしました。「男性会員様が言うには “E理さんは自分のことに興味があるとは思えません。デートで食事をしながら会話をしていても盛り上がりません。このまま交際していてもお互いに貴重な時間を費やすのは無駄かと思いました”と仰っていました」とのことでした。
好きな相手に巡り合う前に、自分の結婚力を磨く
その後も、E理さんが気に入った男性とお見合いして交際希望を出しましたが、やはり「飲み友達だったら良いけれど、世界でたった一人の結婚相手として選ぶには難しい」と辞退をされました。
E理さんは理想が高く、お眼鏡に叶わないプロフィール箇所が一つでも見つかると「どうしても会いたくない」と少数精鋭でしかお見合いをしない傾向にあるので、経験値が積めずに自分の結婚力を磨く事ができずにいました。
「運命の人に会えばきっとトントン拍子に結婚できる」という想いで相談所に入会したのですが、相手男性に「この女性と結婚したい」と思ってもらえる「結婚力」が欠けていました。
それでも、お話好きで色々な相談をしてくださる明るいE理さん。
私は「理想が高いことは悪いことではなく(現に理想が高くても成婚している人が大多数)、『結婚したいと思う相手』が出現したときに『自分も是非結婚したい』と思ってもらえるようになるためにはどうすれば良いのか二人で考えてゆきましょうと」と約束しました。そして、一緒に参加できる、とても参考になるセミナーをご提案しました。
《男性が結婚したい気持ちになる女性は」という婚活セミナー(5000円)》でした。
E理さんは「最初は、セミナー参加するほど 自分はコミュニケーションが取れていないとは思わなかったですが、本当に結婚したい男性からフラれた事で目が覚めました。セミナーでは言いにくいことを言って貰えてかなりの勉強になりました。」
そして
「どこが一番参考になったかというと、“男性は、20代前半だったら別だけど、30代になったら一目惚れでは結婚しない”ということ。グサッと心に刺さりました。セミナーで知るまでは、自分は外見を磨いて、会話は適当に合わせていたら、男性が自分を一目惚れして好きになってくれて結婚できると信じ込んで、エステやマンツーマンのスポーツクラブに通っていました。」
「男性がどんな事で悩んでいるのか、何をしたら仕事の疲れが取れるのか、奥さんには何を望んでいるのか、なんて考えてお付き合いしたことなんてありませんでした。」
こうして改めてお見合いを開始しました
E理さんは、ご両親に大切に育てられ、良い高校、良い大学、良い会社に就職して、いつもご両親に感謝しているそうです。なのでそんなご両親のために立派な男性と結婚することに夢中だったといいます。
程なく、年齢の近い交際相手を見つけました。相手は1つ年下の清潔感のあるイケメン 年収590万 神奈川県在住。細身のスタイルが良く、優しすぎるかなと思うくらい穏やかな男性。
「いつも相手をチェックしていた事が恥ずかしい。年収や会社で人を判断していましたが、それが無意味であることが、様々な相手とお見合い経験で分かりました。自分が男性だったらそんなチェック魔の女性には心を開かないですよね。男性が私を重いと思う気持ちが解りました。」と、自身の婚活を分析していました。
また、「自分も働くので生活費を支え合ってゆこうと話し合っていました。
当初は結婚相手の給料で生活して自分の稼ぎはお小遣いにしようと野望をもっていましたが(笑)、そういう気持ちを改めました。彼と一緒に生きて行きたいので」と笑顔でお話をして下さいました。
30代女性の婚活のコツ
多くの女性は『年齢の近い、ハイスペックで、清潔感のある男性』を好みますが、それでスンナリ結婚する女性もいるのも事実ですが、一方ではそのような条件の男性から辞退される事が続いていたなら、『自分だけの有利な結婚観で接していないか』と今一度立ち止まって考えることをお薦めします。それは婚活初心者であれば、誰しも経験することなので、自分を責めることでもありません。きっと20代とは違った新しい現実を受け入れる、大人の階段を昇っている証拠なのです。
婚活方法を見直すことは、「理想を下げること」ではなく、幅広い相手を見聞することで「自分の結婚観を磨くこと」です。
婚活をすると、「異性から結婚をして欲しいと言われる女性」はどういう女性なのかが自然に解ってきます。極論すると、相手に多くを求める事なく、相手に何かをしてあげたいと思い遣り・寛容さ・母性を持ち合わせた女性です。「相手にお弁当を作ってあげたい」「仕事から疲れて帰ってきたら、お風呂を沸かしてたっぷりの野菜の和食を作ってあげたい」「休日は自然を散歩してリラックスしてほしい」など、『自分がしてあげられる事は何か?』と与える気持ちを持てる相手を探すことが幸せな結婚につながるコツなのかと感じます。
昭和の、女性の働き口がないときは「結婚相手によって運命が変わる」と、少しでも良い条件の相手を選ぶ時代でした。しかし最近の20〜30代は、女性芸能人でも垣間見れるように「結婚で自分をワンランク上げる」という考えでなく、「共に支え合える大親友」という相手を見つけています。バスの運転手や一般の男性などと結婚する有名タレントさんもいましたが、相手が無名であろうが関係ありません。「自分はこの人!」という潔さがカッコいい。
そんな「お互いが世界一の大親友」という相手が見つかれば、精神的も経済的にも安定した豊かな結婚生活を一生送れます。自分自身にもっと自信を持って良いと思います。
スピード婚をした女性会員さんのお話も、参考までにどうぞ。