『蛙化現象』とは、好きになった人に振り向かれると途端に嫌いになってしまう現象のことで、グリム童話「かえるの王様」に例えて名付けれたそうです。

女性の場合、「蛙化現象」が起きやすい特徴として「異性や性行為に嫌悪感がある」「自己評価が低い」「恋をしている自分が好き」などがあるとしている。

一方、男性の場合は、もともと備わる狩猟本能から「逃げるものを追い掛けたい」という気持ちがあり、意中の女性と両思いになった途端に狩猟本能が満たされて気持ちが冷める男性特有の蛙化現象があるとしている

ウィキペディアより

成婚や結婚してから気付く人もいる

交際中に『蛙化現象』に気づいたならまだしも、成婚後や結婚後に嫌悪感に気付くというのは大変なことです。お金が勿体ないというだけでなく精神的にも辛い時期を過ごすことになります。連盟のマネージャーとしてお客様相談窓口で対応している際にも下記のようなご相談があります。

女性の蛙化現象<加盟結婚相談所さんからのご相談 から>

さいたま市の女性32才は、埼玉県内の大学を卒業後、教員となり実家暮らしです。お母さんと仲が良く、一緒にディズニーランドの年間パスポートで出かけるほどでした。お父さんは銀行員。そのご両親を喜ばせるために「高学歴で年収が高く、親戚にも自慢できるような男性」を望んでいました。相談所にはお母様と入会面談にお越しになったそうです。入会後は思っていた以上に苦戦したものの、ある時に男性39才・年収700万・国立の大学院卒業後、地元埼玉勤務の国家公務員さんから申込みが来ました。その男性はお申込みやお見合いは多いものの、女性から「結婚のイメージが沸かない」ということで交際は一度も成立しなかったそうです。
しかし彼女は苦戦していた上に、安定した勤務先・高学歴・高年収な彼との交際に積極的になったそうです。デートの度にちょっとしたお菓子などのお礼を渡し、男性とは1週間に一回は大宮のカフェやラウンジでお茶をしていました。そしてその男性と交際3ヶ月で成婚し、その半年後に挙式・入籍しました。
しかし、挙式してから同居を開始して間もなく、僅か1ヶ月でスピード離婚になりました。結婚してから旦那さんと一緒の部屋で寝ることはなく「触られたくない、気持ちが悪い」と、一週間後には実家に帰ってしまったそうです。

男性の蛙化現象<加盟結婚相談所さんからの相談から>

東京都郊外の男性32才は、埼玉の工場勤務の男性でした。結婚カウンセラーさんによると、「色白で外見は悪くなかったですが年収は300万で164㌢のためか、申込みはありませんでした」しかし、数日後に34才の女性から申込みがありました。
かなりぽっちゃりしていてショートカットの彼女は、正直なところ男性からモテるタイプではなく、以前のマッチングアプリでも申込みが1件もなかったそうです。その上「年下のイケメン」という希望も難しくしている一因でした。それでも毎月20件申込みをし、初めて成立したお見合い・交際でした。
彼は、彼女の猛アプローチに戸惑いながらも、明るい彼女に次第にLINEやデートの回数が増えていったそうです。男性がLINEをすればすぐに返信がきて、デートも週に何度も会いに来くれる積極的な彼女です。とうとうお見合いから3ヶ月交際の期限が来て、男性は成婚を決めたそうです。
それでも成婚の翌月、入籍せずに白紙になりました。申し出は男性側からです。「最初は健気な彼女を前向きに捉えて頑張ろうと思っていました。ですが成婚後に2泊3日で温泉に行った後から重たい気持ちになりました。毎日来る超長文のLINEにも苦痛や怖さを感じて、「一緒に居て楽しい時もあったけれど、結婚はできない」とお別れを告げたそうです。

上記のような事例は一般社会でも他にもあると思います。しかし、失敗事例ばかりではありません。自分のそのような性質に途中で気づいて克服した事例もあります。

蛙化現象を克服した事例

東横線上で結婚相談所を探していたというKさん34才が、HPからお問合せでお越しになりました。
気軽に面談ができるよう横浜にも渋谷にもサロンがあり、お見合いお付き添いもあって、LINEでも気軽に相談ができる相談所を探していたとのことでご入会されました。
都内の有名私大を卒業後に外資系メーカーに就職。20代までは友達からの紹介や飲み会があり、それなりに異性とお付合いしていましたが、いつの間にか紹介や出逢いは無くなり結婚相談所へ入会を決めたそうです。
「実は結婚相談所は初めてではなく、高級感のある大手に入会していました。そこには不満や問題は無く、けれど親身に相談できるという雰囲気ではなかったのですが、当初はそれは重要とは思いませんでした。そんなある時、ある気持ちに気付き『友達にも家族にも相談が出来ない。自分には親身になって相談相手になってくれるプロが必要だ』と、別な結婚相談所に移ろうと思いました」とのことです。その理由は「真剣交際したいというお相手が現れても、自分は結婚したいほど好きになれない」という内容でした。これはどうしたらいいものか、相談しながら婚活しないと結婚後に失敗していまいそうだ、とのことでした。

今までのKさんの活動は「本当に自分が良いなと思う相手は、年収・学歴・外見が良い男性なのですが難しいと感じたため、今は超ハイスペックでなくても『とりあえずお会いしてみたいな』と思った相手へお申込みや、先方からのお申込みを受けています。しかし問題は交際成立してからです。取り敢えずここは交際成立させたいと頑張ってお洒落して話題提供も彼の心をくすぐるように頑張りました。しかし交際が成立して先方が積極的になると、逆にどんどん気が重くなってゆきます。実は20代までの恋愛では、好きになった男性へあの手この手でアプローチをして交際に漕ぎ着けましたが、向こうがこちらを好きになった途端に気持ちが悪くなっていました。それが前回の結婚相談所で、いまだにその現象が起こっていることに気付きました。結婚前提だと思うと更に憂鬱になります。毎回毎回交際の度にあるので、次第に『結婚したいのに、結婚したくない、この矛盾をどうしたら良いのか』と、もがくようになりました。いつも交際になると上手く行かないのです」
こんな話をすると、聞く人が聞けばもしかしたら高慢な女性と思えますが、実は意外と多いのではないかと思います。現実と理想の乖離というのでしょうか。理想が高すぎるのとはまた違う、考え方の癖。

Kさんとの面談では「それならば、『お付合いしても気持ち悪くならない相手とは誰なのか』という視点で婚活を進めましょう」とお話しました。

婚活の末に結婚した相手とは

Kさんは結果的には、28~45才までの7名の男性とお見合いして4才年下の男性と結婚しました。相談を重ねて半年ほど後、問題点の解決の方向性ががようやく見えてきた頃です。
男性は大学から独り暮らしをしているせいか、30才なのに自立していました。プロフィールだけでは分かりにくく、知人の結婚相談所さんに問い合わせて性格を教えてもらっていなかったらシステムだけでは見つからなかった存在でした。彼の性格は『三人兄妹の長男で、弟だけでなく妹さんもいるので、女性を理想化していない、そして人に対して良い意味で期待をしていないクールな面がある。また、どちかというと一人の時間を過ごすのが好きで、人間関係にガツガツしていない穏やかな男性です』との事でした。

実際にKさんの感想も同じでした。「彼の印象は、『相手へのマナーとして自我境界線を保ってる紳士的な男性』という好印象な方でした。余計なアピールが無いので重さを感じません。また私といるときは楽しそうですが、むしろ一人でいる方が楽しそうです笑。きっと人間なので寂しい時もあるけど、その気持ちは誰に頼らなくての自分でリカバリーできるような人なので、精神的に自立した彼と結婚したら仕事にも集中できて帰宅しても圧迫がなく、一緒住んでも気が楽だと思います」との事でした。Kさんは『恋愛の延長で結婚する、結婚したらずっと恋愛もしなくてはならない』という思い込みから開放されていました。いわゆる世間でいう『結婚と恋愛は別』という、本当の意味を体感してゆきました。その言葉は人によっては違う意味に捉えられかねないものですが、自分なりの考えを面談で述べて、気付いた点を熟考して、お見合いでも経験を重ねて、本当の意味を肌感覚で体得してゆきました。そうして、男性の選び方が変わっていました。
Kさんは最後に「わたし、高年収や色々な条件で絞り込み検索をして、その中から相性の良い相手を選ぼうとしていました。条件ありきで探して好きになろうとしていたから難しかったのですね。それで気持ちが悪くなっていたのだと思います。早めに気づいて本当に良かったです。毎回面談やLINEで自分ばかりが土橋さんに喋っていましたがそのお陰で自分の頭が整理できて、本当に選ぶべき相手かを心の底から理解できました」
それから4年、Kさんは毎年お正月には年賀状近況を伝えてくれます。今でも心地良い若くてカッコいい旦那様と過ごして、とても幸せそうです。「このままじゃ一生結婚ができない」と悩んでいたのが嘘のようです。

まとめ

理想の相手を追いかけて、なかなか振り向いてくれない相手が振り向いた瞬間に気持ちが悪くなってしまうという『蛙化現象』は、思春期でまだ恋愛に対しての現実を知らない幼い方に起りやすいそうです。ですが、30代になっても蛙化現象を起こしてしまう人の特徴は結婚相談所の現場でも、交際経験が足りない方、両親が不仲であったり、実家暮らしの方に起こりやすいとも言われています

一方で、蛙化現象を相手に起こされてしまう方は、やはり交際経験が足りない方に多いようです。加減を知らず相手を好きになりすぎて、相手に引かれてしまいます。自分が好きになりすぎる性格という自覚が無い方が多いそうで、本人もどうしてそういう事象が起きるのか解らず苦しみます。『相手を好きになりすぎる事』は、相手にとては嬉しいことではなく同じ温度でないと、寧ろ重たく鬱陶しいものだという客観的な気付きが必要になります。好きになった相手への余計な気遣いは却ってマイナスに働いて負のスパイラルに陥ります。

いずれかの気持ちに気づいたなら、せっかく『結婚相談所』(相手紹介だけでなく、結婚について相談もできるところ)に入会しているのですから担当のカウンセラーさんに相談して欲しいと思います。そのための結婚相談所なのです。
深い思慮(LGBTなど)や個性を抱えているなら信用できる専門家を紹介してもらうのも一つの手です。
精神的に辛くなったり、仕事と分析の両立が重くなった時は、無理に活動せずに休会しても良いと思います。
私は常にLINE・お見合いの付添いの合間・お見合い終了後にオフィスに立ち寄っていただきお話する、などで心境を伺うようにしています。内容は、例えば『今日のお見合いの感想』『自分の相性の良い相手』など思いついた事やちょっとした内容などです。そうした自然な会話を重ねた結果、飛躍的に自己分析が出来て素敵な結婚をしてゆきます。
自分の婚活を話すことで客観視できるようになり、そこから独自の対処法が判明すれば幸せな結婚ができる事でしょう。婚活をしていて、結果が裏腹になる自己矛盾を感じていたら、是非ご相談下さい。