昨年始めに、入会面談で「他社で成婚になったのですが、結婚に至らず関係が白紙になりました。なぜそうなったのか、未だにモヤモヤしています」というご相談がありました。
その女性は当時36才でしたが、20代の頃は仕事が忙しく、恋愛経験がほとんど無かったそうです。

恋愛経験が少ない人が多い世の中

バブル経済の影響を受け、合コンや飲み会が盛んで恋愛に繋がりやすかった昭和世代と違い、現代はニュースでもよく見る「人といるのが面倒」「恋愛で傷付くのが怖い」との理由で交際経験がない男女が増えている時代です。
そういえば私が独身時に勤務していた外資系企業でも、バブルを知らない20~30代前半後輩は恋愛経験が無いは人は沢山いました。寧ろ恋愛経験が豊富な人のほうが浮いているくらいでした。
横浜結婚STORYでも、恋愛経験が無い・少ないという方も入会されます。男性でも女性でも綺麗であったり、年収が高かったり、イケメンであったり。こちらとしても「なぜ今まで周りが放っておいたのか?」と思うくらいです。

恋愛経験の少ない人の注意点

しかし素敵であってお見合い成立しやすい方でも、交際経験のない方には、私は細心の注意を払うようになりました。結婚相談所は早期結婚をしたい会員さんの集まりなので、お互いの利害が一致すれば結婚はできます。しかし成婚ができれば良いという問題ではなく、結婚後に幸せが続くのかどうかが問題だからです。連盟本部のマネージャーとしても並行して仕事をしているので、加盟店様やお客様からのご相談で、「成婚して白紙に戻ってしまった、結婚して直ぐに離婚してしまった」とのご相談を受けるたびに心が痛みます。

経験値の少ない男女が結婚すると、男性なら「奥さんなのだから夫を思い遣って尽くしてくれるのが当然と思っていた」という一方、女性が「夫なのだから、金銭面は男がカバーしてくれるのだと思っていた」という誤解に満ちた結婚観から離婚に至るケースが多くあります。
以下に、一方的な結婚観や伝え方のミスによって破談になり、正しい知識を取り入れて素敵な年下男性を射止めた実例をご紹介します。

Aさんの再スタート

冒頭のAさんは、最初の面談以降に他結婚相談所5軒ほどの入会説明に行き、検討の末に弊社へ入会されました。「また同じことにならないか不安もありますが、土橋さんになら『前回は何故そうなったのか、今後はどうしたら良いか』を相談しやすいと思いました。それを紐解いて貰いながら、改めて結婚相手探しをしたいと思いました」と、心機一転した婚活のスタートです。

結果的に素敵な相手と結婚したものの、入会してからの1年間は、活動が意外と難しい局面がありました。
Aさんは、前述したように交際経験がありません。男性とお互い心を開いて本音でお付き合いをした経験がないそうです。しかもフリーランスなので年収は300万円に満たない状態です。そのために年収の高い男性を希望しました。また、年上男性はNGで同世代か年下の年収が安定した男性希望です。かなり厳しい希望条件ですが、相手からしても厳しい条件でした。その上、ある事が異性とのご縁を薄くしていました。
Aさんは可愛らしくお見合いができるのに、上手く行かない最大の原因は「相手にストレートに物事を伝える」事でした。良くも悪くも悪気なくストレートです。お見合い時または交際間もない相手に「私は年収が低いので、私は家計は男性が支えてくれるのを望みます」ということを直球で伝えます。当然相手はドン引きです。私は「Aさんは何でも正直にお話しされますが、以前成婚した相手にはドン引きはされなかったのですか?」とお伺いしました。

Aさんの破局した原因

Aさんは「はい、お見合い時に何となくお話したら、それでも自分に好意的な対応でした。元成婚相手は、女性とお付き合いしたことがなかったのと早期の結婚を望んでいたようです。そのせいか、当時の結婚カウンセラーさんの『成婚』への背中押しに彼は二つ返事だったと聞いてます。私も経済的に余裕が無く、年上が対象にならない私にとって、同年齢で年収700万という条件の良い彼で決めよう、と思ったんです。」

一時は結婚を意識しての関係だったのにも関わらず、なぜ破局になったのででしょうか?

成婚してから彼のマンションに遊びにいった時、大喧嘩になりました。原因はお金のことでした。私は母に「最初が肝心よ」と言われていたので「結婚前にお金の事を言わないと」と、ハッキリと正直な気持ちを伝えました。彼は散財するタイプで、しかも車やバイクが趣味だったため、その趣味を辞めて今後は家計は私に管理させて欲しいと伝えたんです。そしたら彼が驚いた様子で「決まった額は毎月家計に入れるけれど全額家計にいれるつもりはないよ。それに君もいくらか出して欲しい」と言われました。私は経費を差し引いて月々8万円しか収入がないので、今までは実家で足りないときは父が用立ててくれています。なのでそれは難しいと伝えたら、彼が「お金目当てで結婚したいの?お互いに結婚したいと思ったのだから家計は支え合うのが当然だと思うよ。自分の給料だけを頼りにしないで欲しい。それに稼げない夢を追っていないで、パートでもいいから安定した仕事について月に10万円位は家計に入れてくれ」と、言い合いになりギクシャクしました。その日は気まずい思いをして早々に帰りました。そして次の日からはLINEをしても返事なくなり、一週間後には破談にして欲しいとメッセージが来ました。あっけなく別れを告げられました。

交際経験が少ない状態で、突然結婚相談所で結婚相手を見つけようとする場合、お手本は自ずと昭和世代のお父さんお母さんです。子供の記憶のまま上書きがされず、「だいたいそんな感じだろう」と話し合いもせず想像で結婚してしまうこともあります。
Aさんの場合も「彼は私のことをかなり気に入っていたので、自分はすっかり『結婚したら両親の様に、男性がお金を出すもの・養うもの』が当然と思い、確認のために伝えたらすごい勢いで冷められてしまいまいた」とのことでした。

アドバイスによって自分の癖を客観的に受け止めたAさん

お見合いはできるものの上手く行かない原因は『ストレートに言いすぎる』ということです。家計に関してはカップル同士が話し合いで決める事なのでそれぞれの管理方法があります。
しかし、お金の問題でもその他の決め事でも、自分本位でストレートに伝えると人間関係は上手くいきません。相手からは自分勝手で愛情を感じられないと映るからです。伝えるというより押し付けるとも捉えられます。
考え方も伝え方も一方的という原因を理解して「直さないといけない」と分かっても36年間そういう性格だったので直ぐには難しいこともあります。しかし、水流が停滞した時に原因を取り除けば再びよどみなく流れるのと同じで、Aさんは1年かけて原因を取り除いてゆきました。親兄弟姉妹とは何でもズケズケ言い合っても、折り合いを付けて解決できますが、結婚相手は他人。長年連れ添えば何でも話せる存在にはなっても、最初からその手法では百年の恋もいっぺんに冷めて結婚まで至りません。逆に相手に猫をかぶって我慢をして後で爆発するのも良い結果になりません。なので相手が嫌がらずに受け止めてくれる本音の伝え方を学ぶことにしました。

まずはAさんは一回一回のお見合いや、交際中にデートでストレートに伝えそうになったら、相談して欲しいと伝えました。そして「どう伝えるのが良いのか」を何度も軌道修正してやがては体質となるように鍛錬しました。もともと悪気なく言っていたAさんは「ああ、そういえばいいのですね!」「うまい言い方ですね!」など、理解したら早くに相手に気持ちが伝わるようになりました。自分の言い分も譲歩することを学んでゆきました。

結果的にAさんは、懇意にしている結婚相談所から紹介して頂いた33才の男性とお見合いをして成婚になりました。男性は条件が良い年下男性で、人気の街にタワーマンションを持っていました。Aさんは一つ一つのお見合いでその都度 学んだことでコミュニケーションが上手になっていました。自分が思っていることを彼の立場にも一度置き換えて「自分がされたら嫌なことは相手にもしない」という姿勢に変化していました。
そのせいか、交際男性からは「いつも自分のことを理解してくれる彼女が、これまでのお見合いした女性の中で一番好きになりました」と、熱烈なプロポーズを受け、幸せなご成婚をしました。
その後、タワーマンションに入居と同時に、無事に入籍の果たしました。彼とは今でも良好な関係です。
家計も論理的な話し方のコツを伝えたので、その他の決め事もスムーズに話し合ってお互いが納得行く内容で幸せな結婚生活がスタートしました。

幸せが続く婚活のコツとは

婚活が上手く行かない時は、先ずは自分の思い込みを自覚して一旦それをリセットする覚悟も必要なのでしょう。同時に相手の立場にも立って考えることで、自分の言い分・相手の言い分が客観的に理解でき、どのようにしたらお互いに気持ちよく過ごせるのかも見えてきます。
しかし交際経験が少ないと、この客観視が難しいのです。「もしかしたら自分は経験値がかなり少ないのかもしれない」という自覚がある方でしたら、結婚相手を紹介してもらうだけでなく、常に細かい相談ができる結婚相談所を選ぶことをお薦めします。そもそも結婚相談所というのは、結婚後の二人の関係にまでは保証ができません。そのため、在籍中に思いっきり結婚について疑問に思うことを相談して欲しいのです。「結婚は恋愛と違う」という意味がよく分かってからの結婚は幸せが続きます。

経験がある程度あるのに上手く行かない場合

また、一方で
「自分は同性の友達も多いし、会社には異性もいるので毎日会話しているので、コミュニケーションには問題ないです」という方も、もう一度振り返ってみてください。もしあなたが、30才を超えていて「いつか良い人がいたら結婚したい」と思って生きてきて、20代はそれなりの恋愛もあったけれど、今なお婚活続行中だとしたら、やはり考え方、コミュニケーション手法において異性の気持ちが分からないなど、ある部分での経験値が不足しているのかも知れません。
婚活開始後3~6ヶ月後、お相手検索システムで条件で選択したお見合い・交際を続けて上手く行かない場合は、どの部分に原因があるのか明らかにする事が婚活の近道です。しかも、その原因の方向修正によって、結果的には思っていた以上に理想の相手と結婚ができます。

まとめ

恋愛経験が少ない、異性の気持ちが分からなくてお付き合いしても結婚に至らない、という方が結婚相談所を利用する場合は、マメに面談(リアル面談・電話・LINEなど含め)できる結婚相談所で、信頼してお話ができる結婚カウンセラー(仲人)を選ぶことをお薦めします。細かいお話でも喜んで相談に乗って、理想に寄り添ってくれるでしょう。そうして結婚を学んでいったなら、交際経験が少なくてもコツが習得できて幸せな結婚を掴むことができます。そしてそれは結婚後にも大いに役立ち、一生涯幸せな結婚生活を送れるでしょう。