全国の結婚相談所が所属する連盟で社長室マネージャー職に就き、またプライベートで個人結婚相談所を運営していると、日々様々なお問い合わせやご相談をお受けします。「婚活でメンタルが疲れてしまいました」との婚活疲れに関するお悩みも多く、そういった婚活疲れご相談の中で第1位は『会いたい人からは申込みが辞退され続け、メンタルがやられてしまった』です。2位は『お見合いを重ねても相性が合わない人ばかりで落ち込む』、3位は『交際になっても3回も続かず将来結婚できるか不安で疲れた』です。そういったお悩みを持つ方は30代が圧倒的です。前向きで時間に余裕がある20代や、人生経験豊富で気丈な40代とは違って、そのハザマの30代は傷付きやすくメンタルがやられてしまうのでしょう。
そんな悩みは、自分に合った結婚相談所を選択する事によって解消する可能性が高くなるかもしれません。実際、結婚相談所の種類や各サポートの違いを知って、自分に合った結婚相談所が見つかり結婚ができたという人も多く見受けられます。

誇大広告のマジックから擦り込まれたものを打破する

先ずは詳細の解説の前に、誇大広告のマジックから擦り込まれたものを打破しなくてはなりません。婚活が疲れる原因の一つに、誇大広告によって入会してしまうということです。

例えば、結婚相談所の登録人数が多ければ有利だとは限りません。『登録人数が多い』『成婚率◯◯%!』と、登録人数が多ければ成婚できるような表現を全面的に打ち出しているHPや広告を信じて入会をすると、その後の活動において期待外れの結果になる事もあります。お相手検索データベースの人数が多ければ、『直ぐに』『より理想に近い人』と結婚できるほど、婚活は甘いものではありません。もし、それが叶うとしたら【自らが好条件で、しかも相手への要望が少ない】という方です。しかし、実際には要望は誰にでもあり、ましてやご自身が好条件であれば選びたいのが本音です。婚活市場は、要望のぶつかり合いなので、誇張表現の通りの期待をして入会をすると、軽装でガイドもいない状態でエベレスト登山に参加し凍えてしまう様なものなので、鵜呑みにしないことが賢明です。
近年ではどの相談所でもお見合いが活発なので、「お見合い数は総合計で50人を超えました」という人も少なくありません。しかし、お相手検索データが何人登録していようと、お見合いが沢山出来たとしても、なかなか成婚まで辿り着けない方も多く存在し、そして次第にメンタルがやられてしまいます。
飛躍しすぎたミラクルな出逢いを求めている場合は別ですが、もし現実的な理想で素直にアドバイスに耳を傾けられる賢い方であれば、登録者人数のみが売りの結婚相談所から抜け出して、申込みのコツや裏技を教えてもらったり、個別にお相手ご紹介をしてもらうことができる経験値の高い結婚相談所で活動するほうが遥かに有利な婚活が出来ます。
他にも『手厚いサービス』と謳っていても、「実際は入会後は何のサポートもなく辞めた」という声も多く聞かれます。

メンタルがやられないための結婚相談所選びで大切なのは、入会面談を複数結婚相談所に行くこと、営業に流されないこと、疑問や不安点はしっかり質問をすること。例えば『お見合いが組めなかった時はどういうサポートがあるのか』『マメに相談や疑問に答えてくれるのか』『質問にはどのくらいの日数で回答が得られるのか』『それは電話か対面かメールなのか』..等、細かく質問をすることも必要です。うやむやにされることが無い結婚相談所なら信頼できるでしょう。

結婚相談所は今や3パターンに分かれている

昔は「大手結婚情報サービス」と「仲人型」に二分されていましたが、近年では「大手」と昔ながらの手法の「仲人型」の間に、中間層が現れています。それぞれの種類を知って、自分の性格に合っている結婚相談所を選ぶことで、より良い婚活ができるでしょう。

横浜結婚STORY ブログ「メンタルがやられる前に知っておくべき結婚相談所の選び方」

※上記はあくまでも平均値です。非接触型の結婚相談所は除外してあります。①②③の中間グレーゾーンやミックスタイプもありますので、検討している相談所があれば入会面談でのご確認をお薦めします。

どのタイプの結婚相談所が合うのかはその人次第です。お相手検索データベースさえあれば相談はそれほど必要ないという方は①と②、細かい質問やマンツーマンでの対応に価値を感じる場合は③タイプが合うでしょう。

30代 婚活疲れをしそうな人の結婚相談所の選び方

もし、我流またはサポートがない結婚相談所で孤独に婚活をしていて「メンタルがやられそう」という場合は、二人三脚系仲人型の個人の結婚相談所を検討してみることをお薦めします。大手結婚相談所とは違ったサービスです。以下に男女それぞれの実例をご紹介します。

30代女性の実例

H美さん(31歳)はスラッとして可愛らしい女性です。以前は大手結婚相談所の一番安い(といっても初期費用は20万円近く)のコースで活動していました。安いコースなので面談はありません。しかし、登録会員が8万5千人超で(当時)、またH美さんご自身も交際経験もあり何かあれば友達に相談すれば良いかなと、プロのアドバイスや面談が自分にとって必要とは思わずに、毎月4〜5人とお会いしていたそうです。そうして2年が過ぎようとしていた時、「なかなか良い人に巡り会えない」とメンタル面に支障をきたしていったそうです。
「通勤電車の中でも仕事中もいつも婚活のことで頭がいっぱいで、寝付けない日は明け方まで婚活での悪い出来事ばかりを思い出して憂鬱な日が続いていました」との事です。

そんな時、友達のグループラインにNewsが飛び込んできました。「私、結婚しました」と旧友のU子さんからメッセージ。とても驚いたそうです。U子さんは大学卒業後に多忙な仕事に就いて中々連絡が取れなかった上に、自分でも「女子力がない」と公言していた友達でした。しかも夫になった男性は、大学院卒の1歳年下の外資系勤務の優しい男性だとのこと。個別に連絡をして結婚の経緯を聞いてみたところ「個人の結婚相談所でお世話になった」と教えてもらったそうです。そのU子さんはたまたま弊社で成婚した女性だったので、U子さんからのご紹介でH美さんは入会をしてきました。

H美さんは入会をしてから、先ずご自身で選んだ相手とお見合いを開始しました。しかし殆ど交際にはなりませんでした。交際になっても1回で終了。フッたりフラレたりです。どちらかというとH美さんからのほうからです。「フィーリングが合わない」「結婚のイメージが湧かない」です。こういう漠然とした理由を使う場合は、1.理想が定まっていない、2.理想が高い、3.言いづらい理由を避けるための言い回しです。
H美さんの相手への理想は「大卒・600万以上・28歳〜33歳」と「性格的に大人で気遣いがある人」でした。前者はプロフィールで判りますが、性格(フィーリング)はお会いしないと判りません。その上、こういう理想はご本人でも漠然としているので彷徨う結果となります。まさにこの事がH美さんの婚活を阻んでいました。本人が自分の理想を理解していないと、まるでチルチルミチルの『青い鳥』のようにむやみ追いかけ、段々こじれて最終的には誰と結婚してよいのか分からなくなります。こういったルツボにハマるとメンタルがやられてしまいます。この中心核がはっきり判明すると婚活は飛躍的に促進します。

私はH美さんに「そこから抜け出すために、一緒に申込みをしましょう」と提案しました。一緒に申し込めば具体的な理想が可視化できてこちらにも伝わり提案がしやすくなります。また私は10年以上、毎月お見合いの引き合わせと、連盟の大中小規模・会員様限定お見合いパーティ・イベントの企画・受付、その他の仲人さん主催の婚活パーティも参加して、実際お会いした会員様の数は延べ2万人を超えています。そのため、実際にお会いした会員様をお薦めもできます。そうして結婚した例も過去にありました。あまりにも理想が現実的でないと難しいのですがH美さんは地に足がついた方でした。こうして、もはや誰に申込みをして良いのか分からなくなっているH美さんと一緒にお申込みをして問題を解決して行きました。

半年後、元来とても賢いH美さんだったので『心の底から自分が思い描いていた相手』を見つける事ができました。最終的に判明した本当の理想のパートナーは、『話が分かる人』でした。男性は共感脳の持ち主ではないので中々いないタイプですが、検索のコツの習得とH美さんが自分に向き合って判った深い結果です。お相手は2つ年下のIT会社で年収500万の29歳男性です。今までは条件が良くても『会話が噛み合わない』や『一方的で空気が読めない』というお見合い相手が多かった中で、彼は話していてバランスが良いのが際立っていたそうです。昔だったらピンとこなかったかも知れない相手でしたが、自分の好みもはっきりしていたから際立っていると判ったそうです。
彼は相手の立場に立って考えることのできる男性でした。彼と今後の人生一緒に資格の勉強をして頑張って行けば、将来的にもお金に困らず、親友のような家族関係を築ける最良の夫になると、交際5ヶ月を経て確信に変わりました。一過性の感情でない、結婚へのモチベーションが確立したところでご成婚になりました。

30代男性の実例

Tさん38歳はIT関連の会社員です。ある異業種交流会で出会った、起業してから4年目の結婚相談所の経営者さんから勧誘され前回はそこで婚活を開始したそうです。「何万人も登録者がいるのできっと誰か見つかりますよ!」との誘い文句に敬遠していた結婚相談所に入会を決意したそうです。しかし、入会をしてから半年で200人に申込みをしましたが、お見合いが成立したのは10名のみ。9名はお見合いが終了してしまい、1名はお見合い場所に現れず、当日ドタキャンされました」。だいぶ苦戦をしていました。また入会前は親切だった相談所の方とも「入会前はきっとたくさん組めますよと仰っていたのに、腫れ物を扱うようにほぼ連絡も無くなりました。そしてそれまでは毎月20人、多い月で50人の申込みをしていましたが、気力がなくなり退会をしました」とのことでした。

その後は「的確なアドバイスや人脈からも提案してくれるようなところに心機一転入り直そう」ネットで様々な結婚相談所を検索したとのことで、入会面談にお越しになりました。入会してからは、TさんとはLINEや電話でもご相談に乗り「自分では申込みをすることに疲弊しています」とのことで、こちらからお相手をご紹介することにしました。
ちなみに女性の年齢や容姿などに余りにもこだわりがあるとご紹介は難しいものですが、Tさんは「前回の経験で婚活の難しさ・怖さを知りました。僕のようなもので良ければ、外見や年齢はこだわりません。だた子供はほしいと思っているので40歳ちょっとまでだと嬉しいです。」とのことでした。

そんな素直なTさんだったので、幸先の良いスタートになりました。まずは30代後半〜42歳くらいまでの女性3人をご紹介しました。結果的には交際に繋がりませんでした。しかし、謙虚な心構えの方には朗報が舞い込んでくるものです。神奈川の西に位置する地域の相談所さんから「34歳の女性が入会して是非土橋さんの男性会員にお会いしたいそうです」との連絡がありました。その女性は婚活をしたことがないそうですが、兄妹が皆結婚して、自分も早くに結婚がしたいと前向きな方でした。横浜で双方仲人が同席のお見合いしたところ、なんとこの女性と3ヶ月の交際でご成婚になりました。入会からお見合い4人目の、奥ゆかしい女性です。少しぽっちゃりしているのですが愛嬌があり「田舎者の私ですが、それでよければ喜んで」と嬉しそうにプロポーズを受けてくれたそうです。

Tさんがご経験から謙虚な姿勢でご紹介する相手をお一人お一人丁寧にお見合いして真摯に向き合った結果、良縁が舞い込んできたという事でしょうか。お互いに気遣い、支え合える、素敵なご夫婦となって今も幸せです。今年の年賀状には産まれたばかりのお子さんのお姿もありました。

まとめ

もし、婚活で迷い子になっているなら、メンタルがやられる前に「自分にはどの種類の結婚相談所が合っているか」を今一度確認することをお薦めします。大手系が合っているタイプの方もいます。小規模な小回りの効く相談所で相性の良い仲人であればそちらが合っている方もいます。
最終的には自分自身の前向きな気持ちや行動力が必要ですが、もし後者のタイプの方であれば心強いサポートがあるかないかだけでだいぶ違ってくるでしょう。婚活のペースは人それぞれですが、もし早期で結婚を願っているのであれば貴重なお金と時間のロスと精神的ダメージは、避けたほうが無難です。