結婚相談所に入会される女性から時々「エリートや御曹司との結婚を希望します」とご相談があります。そして「今までお世話した女性の中で、その理想が叶う女性と叶わなかった女性の違いは何でしょうか?」とのご質問があります。それは『プロフィールの書き方』『相手選択・申込み』『交際』『成婚』など、その段階ごとにコツがありますが、今日はそのうちの一番重要な『交際術』をお伝えします。
『交際術』と書いてしまうと、まるで男性をあざむいて結婚する悪知恵みたいで男性が聞いたらドン引きしそうΣ(゚Д゚)ですが、そうではなく男性が読んでも全員が頷く内容なので、誤解なきよう伝えてゆきます。

気に入った男性と結婚できるか?の鍵を握る女性の2大問題への対応

結婚相談所ではお見合い後3ヶ月の交際を経て成婚となるわけですが、交際3回目までにはご縁が決まるようなものです。この壁を越えなければ交際終了になります。

では、女性が越えなければならない壁とはなんでしょうか?それは女性側からでる2大不満の壁です。ひとつは「奢りか割り勘かの問題」、そしてもう一つはデート場所である「お店の選択問題」です。

ちなみに私は、男性会員さんには「お見合いを含めて最初の3回目まではご馳走してあげると良いですよ」「お店は無難に面積が広い穴場カフェ」とアドバイスしますが、強制ではなく基本は本人の気持ちに任せています。
一方で、女性会員さんには「相手男性がお見合いのお茶代を負担してくれた時には、お礼を心から感謝してお伝えすると誠実な女性だなと交際に繋がりますよ。また交際になったらお会いする2〜3回目以降からは割り勘を申し出たほうが良いですよ」また「お店の選択は男性は苦手なので、女性がリーズナブルなお店を提案すると良いですよ」とアドバイスをします。これも強制ではなく最終的にはご本人の気持ちにお任せします。

しかし、男性の気持ちよりも、この『女性の気持ち』こそが『今後二人が結婚するかしないかの明暗を分ける鍵』になります。

お見合い時に男性が払ってくれるお茶代もルールではなく厚意によるもの

実は、当たり前と思われている結婚相談所でのお見合いお茶代は「男性が出すもの」は本来強制ではなく、男性の厚意から発しているものです。

たまにお見合い後の女性から「割り勘にされました!」と(20人に1人くらいはいます)と憤慨する女性がいますが、男性からすると奢ってあげたくない理由があったと思います(プロフィールの写真やPRイメージと180度 違った、遅刻してきた、圧が強かった、感謝の気持ちがなさそうだった)。そんな女性とお見合いしてご馳走してあげたいでしょうか。自分が男性の立場だったら嫌だと思います。次もお会いしたいとは思わない人へのご馳走は、金額の大小ではなく、あとあとまでモヤモヤすると思います。

また、交際に繋がった場合にでも、お店選びはもちろんのこと、デート代も「男性が選ぶもの、お金は男性が出すもの」と暗黙のルールと思ってしまっている女性は多いですが、素の男性は「男友達とは居酒屋ばかりでデートに最適なお店を知らない」「初めて会った女性(まだ好きにもなっていない)にでもお金を出そうとは思わない」のが本音なので、女性がそう強く思っていると良いご縁につながりません。

私はこの「奢り・割り勘」「お店選び」2大問題を乗り越えられる女性こそ『相手の立場を考えて行動できる女性』であり、理想の相手のハートを射抜いて幸せな結婚をする人だと思います。要するに寛容な考えでサポートできる女性は、男性から『結婚後もしっかり支えてくれる素敵な奥さん』と、結婚相手として好感度がかなりアップするものです。

婚活では、そのような男性の立場や本音を理解して交際する女性が、御曹司やエリートと結婚してゆきます。男性は年収が高い低いかは関係なく(もともとの性格がお金に『超シビア』な男性は別として)、交際中に本格的に好きになった女性にはご馳走したいものです。けれど『男性に素敵なお店に連れてってもらい、ガッツリ奢ってくれる人が好き』と思っている、ちゃっかりした女性は真意を見透かされ、遊び目的の男性からは好かれるでしょうが、まともなエリート男性からは『結婚相手の対象』から無意識に外されてしまいます。

広尾生まれ青山育ちの御曹司と成婚した女性の交際

Mさん36才は埼玉実家暮らし、都内勤務のOLさん。周りの空気を読めて聡明で自立した性格です。
仕事が充実しすぎていて「このままだと40才になっても仕事ばかりしそうで、早くに結婚をして実家から巣立ちたい」という意思を持って結婚相談所に訪れました。

理想の男性像は『自分の年収より高い男性(ご自身は650万円)』『清潔感』『穏やかな性格』という条件なので、4人とお会いしましたが、「4人目の男性がとても良かったです」と、港区育ちで実家は地主さん兼不動産会社の御曹司Sさん(37才)を気に入りました。
Mさんの結婚相談所のご担当によると「Mさんは人気で全国から何百人と申込みが来ましたが、交際が1〜2回目で終了しになります。その原因はお店選びかもしれません…。流行のお店をあまり知らないので。。」ということでした。

私は内心《え?あれ?港区界隈で生まれ育ちなら、お店は沢山ご存知なのでは?しかも実家は多くの飲食店に店舗を貸し出している大きな不動産会社の息子さんなのに?》と思いました。

男性の結婚相談所のご担当によると「実は直近でお見合いした方と交際になったのですが、1回目のデートでお店の選択を任されて、恵比寿のサイゼリヤにお連れしたんですよ…。」とのことです。

後で判明しましたが、超都心という土地では、都市郊外型のサイゼリヤやびっくりドンキーなどのファミレスはとても珍しく、都会のど真ん中にサイゼリヤがオープンした時には、地元の幼馴染と「ワクワクする。テレビでも話題のあのお店に行ってみたい!」と、ちょっとしたブームになったそうです。そして彼は他の地域を知らないので、どれだけスゴイ土地に生まれ育ったかも客観的に知らない、ご自身では庶民派と思っている男性でした。

それを知らずに直近でお見合いした女性は「えーー?サイゼリヤ?ありえないんですけど」と、お店に入る前に帰ってしまったそうです。

Mさんにはお見合い前からその事を伝えて「サイゼリヤに行ったとしても、軽んじている訳ではないので、喜んでご一緒したらきっと上手くゆきますよ。結婚後にはMさんが行きたい所、たとえちょっとお高めのホテルのレストランでも行けますから」と伝えました。Mさんはサイゼリヤを選択した真意がわかると「面白いですね。埼玉だとどこにでもあるんで、都心のお金持ちの人にはそんな考があるんですね(笑)」と、交際中は寛大にSさんの意向を尊重して楽しく交際を続けました。

そしてデート4回目ともなるとMさんは「ご馳走してもらってばかりだと申し訳ないので」と映画のチケットはMさんが購入し、ランチはSさんが出す、などデート代は割り勘になるように心がけていました。
ちょうど交際3ヶ月(結婚相談所在籍4ヶ月)で見事に御曹司Sさんを射止めてご成婚となりました。

今、MさんはSさんが購入した都内の豪華なマンションに住んで、仲良く暮らしています。先日ホームパーティにお呼ばれし幸せそうにキッチンに並ぶ二人を見て微笑ましく思いました。
そして密かに、交際中のMさんの思い遣りがSさんの心に響いてご縁が繋がったことを思い出していました。ほんの小さな思い遣りが、大きく男性に刺さるのだと思います。
ホームパーティ時のお写真

穏やかなエリートと結婚した女性の交際

Eさん44才は地方都市出身の世田谷区で一人暮らし。山手線内の大手の会社員。国立大出身のしっかりした意見を持つ女性です。理想の男性像は《年収が高く》《優しい》という条件。当初は「できれば年齢が近い男性」が良かったのですが、年収重視であれば年齢は10才ほど上のほうがお見合いがしやすい事もあり、お見合いを重ねるうちに徐々に年齢を上げてゆきました。

Eさんは20代からマッチングアプリや知人の紹介などで婚活しており、綺麗なEさんは若い頃からモテてきていて、奢られ慣れていました。お金持ちと結婚して優雅な暮らしをすることが夢でした。その夢を叶えて差し上げたいと、ネットでの送受信だけではなく、ほうぼうから男性相手を探してはご紹介をしていました。ある日、49才男性(年収870万)とお見合いをし、交際に繋がりましたが1回目で男性から「交際終了」という連絡が入りました。先方に理由を尋ねると「ランチをして会計の際に、ご馳走様も言わずに会計を素通りしてお店の外で待っていました」とのこと。お礼がなかったのが理由とのことでした。(Eさんによると、伝えたつもりだったのですがキチンと伝わってなかったとのこと)。次のお見合いは48才 渋谷区松濤に住む建築士(年収1000万)さん。お見合いでは盛り上がったそうですが、またお断り。理由は「価値観が合わなそう。お金のかかりそうな雰囲気でした。それに一緒にいて緊張してしまいます」とのことでした。

Eさんは交際中は奢ってもらうのは勿論のこと、結婚後も生活水準を下げない生活ができる男性が理想でしたが、Eさんが「良い!」と思った男性にはことごとく断られてしまいます。私は「お金持ちのかたと結婚したいのは全然悪いことではないのですが、醸し出すオーラや雰囲気を変えてみてはどうですか?」とアドバイスしました。というのも、言葉は悪いですがEさんは心底がめつく図々しい女性ではないのです。結婚後も働いて家計は男性が多め自分は少なめの配分で家計を支え合う、そのかわり得意な料理炊事は自分が担当する、という持ちつ持たれつの意識がありました。

婚活中の面談で交際戦略を徐々にアップデートしてゆき、結局Eさんは女性アナウンサーさんのような『相手を立てる・支える』という意識をもった内面に大変身しました。そのタイミングで品川区に住む都市銀行勤務の年収1200万のエリート男性とお見合いが決まり、交際3ヶ月(結婚相談所在籍2年)で成婚になりました。交際中のデートのお店の提案も、古い小さな小料理屋さんだけどリーズナブルで美味しいところ、お礼にコーヒー代はEさんが支払う。ちょっとしたランチなら「いつも出して頂いているので私が出します」とご馳走しました。心構えを少し変えただけで、醸し出す雰囲気も変わり、彼のハートを射止めました。相手男性Aさんは「Eさんとはデートを重ねるうちに居心地良い女性だな、と結婚を意識しました。Eさんといると仕事の疲れが癒やされ落ち着きます。」とのことでした。

成婚お祝いランチ

エリートとの結婚を目指して選ばれなかった女性

将来の結婚をイメージしているつもりで、チェック魔になる女性がいます。お見合いや交際中「お金払いのスマートさをチェックする女性」 VS 「奢った際の女性の対応をチェックする男性」という構図になったら、折角エリートとお見合いが決まっても、もはや成婚には至りません。

Kさん34才横浜市出身で中野に一人暮らし。メーカー勤めですが、年々仕事のストレスも蓄積されてきており早く結婚退社をしたいと思って結婚相談所へ入会しました。休日はUberEatsでつまみを注文してお酒を飲みながらネットで映画を見るのが至福の時で、男性との恋愛は久しく無いそうです。妹さんが28才の時に学生時代から付き合っていた公認会計士と結婚し子供が2人、優雅な専業主婦をしています。そのためか「私も最低でも年収800万はある30代イケメン男性と結婚したいんです」とKさん。「妹が羨ましいんです。親の手前、私はランクをさげられない」とライザップに通い初めて婚活に備えました。

結論から言うと、結果は惨敗でした。お見合いをしたのは29才〜39才公認会計士、医師、国家公務員、大手通販御曹司、大手IT企業社員。ことごとく辞退をされましたが、Kさんにも言い分があったようです。「最初のデートを決めるLINEで『そちらでお店を決めてもらっていいですか?』と言われれ『普通男性が決めるでしょー』とムカつきました」「レストランで私より先に着席して感じ悪かったです」「向こうが決めてくれたお店がチェーン店でケチなのかなと考えちゃいました」「お金にきっちりしていて、結婚後の生活費はどれくらい出してもらえるか不安になりました」「私はお洒落代やライザップに通って色々お金がかかっているので、会計が6000円くらいなら年収高い男性が食事代を全部出すべきなのに、いくらか払いますか?と一応聞いたら、じゃあ2000円でいいですよ、と払わされました!」などなど。

最初からエリートや御曹司など条件だけが頭を駆け巡ると、「スマートにエスコートしてくれ、高価レストランでご馳走してくれ、結婚したらリッチな生活」という夢だけを描いて、大切なものを見落としがちです。
Kさんは「自分の条件ばかりが先行して、相手男性が結婚したいと思える女性とは?」という相手の気持ちを推し量る部分が欠如していました。

そもそも「ご馳走してもらいたい」からデートするのでなく「この男性が気に入った。結婚したい。早くまた会いたい」という男性とデートすれば、たとえ「割り勘」でもたとえ「ファミレス」だったとしても嬉しくて嬉しくてワクワクするものではないでしょうか?

意中の男性とお見合いができたら、交際術を磨く

交際中、男性は『ご馳走をした自分への女性の気遣い』に自然と目に付きます。もっと言えば、そこから「気が利く女性か?」「将来結婚したら、経済的に何から何まで依存するのか?しないのか?」なども知らず知らずに感じ取ってしまいます。
「いえ、私はそういうのバレないんで上手くやれるんです」と言う婚活が長引いている女性がいたら、自覚がないだけで それが結婚が上手くゆかない原因かもしれません。
「交際の注意点が分からない・何となくボンヤリしか分からない」であれば、自分ではなかなか客観的には見れないものなので、賢い立ち居振る舞いを結婚相談所の担当と相談して最善策を考えることをお薦めします。

意中の男性とお見合いができたら、その次は『交際術』を磨くと、かなり高い確率でご縁に繋がります。
特にエリート・御曹司さんは交際中のコミュニケーションから『結婚後のイメージ』を自然とみているので一番重要なポインといえるでしょう。